だいすきな本を、読み返す。
3月に、日本橋高島屋でやっていた、ユトリロ展。行きたいな、と思いながら会期が短く行けずに終わってしまった。京都と横浜はコロナの影響で中止になってしまったようです。残念ですね。
ペンキや。という絵本は、静謐で、気高くて、穏やかで。生きること、はたらくことの喜びと誇りに満ちた光を放っている。美しい本だ。言葉では言えないほど、好き。
梨木果歩さんの大ファンだし、この本を読んで「出久根育」さんが大好きになった。素晴らしい絵本作家さん。チェコに住んでらっしゃる。一度、銀座の教文館でたまたまやっていた原画展を見たことがある。なんという幸運!!すばらしかった。心の奥底まであたたかくなるような、深みのある、本当にいい絵だった。人間を、世界を愛している人の絵だった。空いていたので、一時間くらい堪能させてもらった。
色使いも、質感も、奥行きも、ストーリーが感じられて、なんとなくオシャレで。センスがいい!そしてなんだかわからないけど、静かで穏やかな空気が絵のなかにただよっているんだ。絵のなかに入って、深呼吸したくなるような空気感。そういう絵は、ありそうでなかなかない。
ペンキや、の中に出てくるキーワードとなる色が、「ユトリロの白」。いつか見てみたい。と思っていた、憧れの色。
いつか、この人生で見れるだろうか。
見てみたいな。
色。
こころの、色。
そらの、色。
ネクタイの、色。
コートの、色。
ベッドのシーツの、色。
壁の、色。
ソファーの、色。
色が、人間の気持ちに作用して、世界を豊かにする。そして、色を人の目に届けているのは光。光の反射によってのみ、人の目は色というものを識別する。
すべては、太陽から生まれ、太陽に帰るのだろうか。
「私が思っていたのと違うけれど
私が思っていたのよりずっといい色です」
いつか魂になったときに、体から抜けだして、遠くから自分の人生全体の色を眺めて、そう言えるといいな。
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しかもただの白ではありません
ところどころ若々しい緑や 深い闇を思わせる漆黒に近い紫
黄金の夜明けのようなまぶしい黄金色が滲んでいたり……
それはすべての色を含んだ白 そうです あのユトリロの白でした