深呼吸図書館

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ひとつの旅の終わり

今日は、今年のわたしの一大イベントである離婚について書きます。

長いです。お時間ある方だけ読んでください。

自分のために書きます。

25日のクリスマスは、今年の2月に離婚した元旦那さんと過ごしました。

 

お互いの仕事帰りに予約していたケーキを買いにいって、今年のはじめまでは 一緒に暮らしていた家で楽しく和やかにごはんを食べました。

 

彼はバイクの事故で胸の半分から下が動きません。

 

出会ったのは高3の冬かな?初めてのバイト先のイタリアンレストランでキッチンで働いていた人でした。

 

年は9コ上。明るくて仕事のできる、みんなの人気者でした。

 

彼は、自分のお店を開くのが夢で、そのためにとにかくがんばっていた。そして独立の修行の

ためにバイトをやめて、その数ヵ月後にバイクの事故で下半身不随になりました。

 

わたしたちは出会ってから何年もずっと友達でした。

 

わたしは男の人が苦手で、ぜんぜんモテなくて、好きな人も特にいなかった。

 

でも、自分から告白して彼と付き合うことになりました。大好きで、嫌いなところなんて一つもなかった。付き合い始めて、わたしの就職もなんとか決まって、幸せの絶頂のときに、わたしの父の胃癌が再発して余命を宣告されました。

 

お父さん子で、母との関係があまりよくなかったわたしはその後メンタルがどうしようもなく

ボロボロになってしまい、新卒で入った会社も続けられず、その後父が亡くなりました。

 

母との関係はさらに悪化。

 

その間、全力で支えてくれたのが彼でした。

たぶん、彼がいなかったらわたしはあのとき自殺していたと思う。それほど、ギリギリの精神

状態で、社会復帰もなかなかできず、コンプレックスまみれ、劣等感まみれの20代を過ごし

ました。

 

あまりにわたしがダメ過ぎて、彼と別れて、2年くらいしてまたヨリを戻して、

 

29歳で結婚を焦っていたわたしは、もろもろ不安要素を抱えながら結婚しました。

 

正直、へなちょこなわたしに車イスの彼を支えられないのは最初からわかっていた。

 

わたしは、そういう、誰かのために何かをできるマザーテレサのような人間ではない。

 

わかっていて、結婚して、失敗した!(笑)と思うほど、やっぱり大変なことが多かった。

 

でも、彼は料理人の仕事をしていたので、料理が本当にプロで、美味しすぎた(笑)

 

それで、どんだけしんどいことがあっても別れられませんでした。

 

6年弱の結婚生活のうち、後半3年くらいは彼が体調を崩して入退院を繰り返している状態でした。

 

まわりの友達は、子供が生まれ、家を買って、幸せそうに見える中、わたしはどこにも行けな

くて、我慢することが多くて、どんどん疲弊してささくれて行きました。

 

誰も悪くないんだけど、お互いが本当につらかった。まあ悪いときもあったね(笑)

 

その病気の時期とかぶって彼の親戚や友達が、続けて4人くらい亡くなった。厄年なんてもんじゃないほどの不幸のオンパレード!

 

彼は自分の病気が治らないのと親しい人が急にいなくなるのとで、自分を保つので精一杯だっ

たと思います。

 

わたしは、彼に優しくできない自分が本当に苦しくて、自分を責めて、へとへとに疲れていました。彼がわたしに求めてくるものを、わたしはあげられなかった。持ってなかった。自分がつらくて苦しくて、相手のためになにかをできるほど立派な優しい人間にはなれなかった。家族だから、あたりまえ!だと思われるのがつらかった。

 

でも彼はそんな中でも生活費をちゃんと頑張って稼いでくれたし、おいしいごはんも作ってくれた。

 

お互いにもうがんばれないところまで頑張って、何度も離婚の話をしながらやっぱり離れがたくて、ついに爆発したのが今年の1月でした。

 

去年の12月は、一番しんどいときで、何度も入院して何度も手術したのに病気が治らなくて、結局年明けに人工肛門の手術をすることが決まっていて、彼は落ち込んでほんとうに死にたい気持ちだったと思う。

 

結局。人工肛門の手術がうまくいって、わたしとは別れたけど、ここ数年の中でやっと体も健康に戻り、心に余裕が戻った彼はスッキリとした穏やかな顔になった。

 

別れるとき、どうしようもなくぐちゃぐちゃに傷つけあって、泣きまくって、なんでこんなやつと結婚したんだろう自分!!と思ったり、やっぱりそれでも寂しくて泣いたり。

この一年は立ち直るのに時間がかかった。

 

でも家が近いので、なんだかんだ彼のごはん食べたさにツキイチで会ってました(笑)

 

 

そして、昨日のクリスマス。

 

ケーキだけで凝ったごはんなんて期待してなかったのに、

 

彼は「(結婚生活で)大変な思いばっかりさせちゃったから、恩返しに。最後くらい喜ばせてや

ろうと思って!」と言って、お取り寄せしたA5ランクの神戸牛と松阪牛をすき焼きにして食

べさせてくれました。

 

泣けた。

 

別れたわたしに、頑張って稼いできたお金をそんな風に使ってくれる彼の気持ちがうれしかった。

 

去年の今頃は死ぬほど落ち込んで未来が見えなかったのに、離婚したとはいえ、一年後に2人

で笑って穏やかに高級すき焼きを食べてはしゃいでいることなんて、想像もしてなかった。

 

 

あー、元気になってよかったなぁ。と心から思った。よかった、ほんとうに。

 

泣いて泣いて苦しみ抜いた後に、こんなにあたたかな一年の終わりを2人で過ごせることが奇跡みたいで、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。



相手に求めて、わかってほしくて、傷つけ合うしかできなくて、どうしようもなくて手放したけど。

 

もう求めるものも、期待もなんにもなくなったときに、あのとき求めていた以上の、想像もできないほどの豊かさと祝福がやって来た。

 

なんか、うそみたいだ。

 

そんなふうに思って、感謝と切なさに胸がいっぱいの一日でした。

 

すべては、手放して、ちゃんと一回終わらせたからこそのごほうびだった気がします。

 

わたしは今でも人としては彼を好きだし、一生変わることはないと思う。ただ、結婚相手としては、お互いにほんとうに苦しめ合って戦い尽くした。離れてやさしく相手を尊重できるなら、どれだけ痛い思いをしても、これでよかったんだと思う。

 

彼の幸せを心から願っています。

離婚したけど、結婚してよかった(笑)

 

たくさんの反省を胸に、感謝して前に進みます。

 

長くなりましたが、自分自身の記録のためにも書きたいと思いました。

 

読んでくださった方、ありがとうございました。


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