現在庭園美術館で開催中のエミール・ガレの作品を展示した「ガレの庭」を見てきました。
大満足の展示でした。
まずは、圧巻の展示数。
思っていた何倍も数があった。
展示の仕方もセンスが感じられてとてもよかった。
そしてそれを展示している場所が、国の重要文化財でもある、旧朝香宮家という皇室の方が創立された、アールデコ様式の建築物である。というのが最高によかった。
窓からの光や庭園を眺めながら、ガレの作品を見れる、という贅沢。
エミール・ガレ、本当に大好き。
今回の展示のほとんどは長野の諏訪にある「北澤美術館」所蔵のもの。
北澤美術館は2回行ったけど、大好きな場所だ。
ガレの作品の何もかもが好きだけど、彼の表現する詩的で写実的な植物と、光の当たり方によって何通りもの表情をみせるガラスの質感がたまらない。
そして、器の形自体も本当におしゃれ。
作品の、色、形、モチーフ、全ての一体感とセンスが爆発しすぎてて、何回見ても飽きない。
あー、大好きだ。ガレ。
ガレの工房の扉に刻まれていたという言葉。
それが「我が根は森の奥底にあり」。
心の芯の部分に触れてくる、うつくしいことばだ。
誰よりも植物を愛したガレ。
ガレの自宅の庭には、世界中から集めたおよそ3000種類の植物が植えられていたという。彼はその庭を眺めるのが何よりも楽しみっだったと、ガレの妻「アンリット・ガレ・グリム」は語っている。
植物学者としても、晩年病にむしばまれていた体をおしてまで「ラン」の論文を完成させたいという情熱を燃やし続けたそう。
今回の展示では、オルセー美術館所蔵の、ガレの工房での様子などが写ったパネル写真があった。ガレ、イケメン・・・。
モチーフを書いた型紙なども展示されていて、とても興味深かった。
盗作にあったという苦い過去から、すべての作品の絵柄から何からすべて意匠登録されていた。というのも今回初めて知った。
意匠登録する際の、直筆の申請書なども展示されていて、惚れ惚れするほどきれいな字だった。
わたしは、2階の順路の最後のほうの部屋にある森の中のキノコを表現した深い緑の花瓶と、1階の明るい部屋に展示されていた、乳白色に淡いピンクで描かれた夢見るような睡蓮の水差しが好きだった。
あー。
夢見心地な素晴らしい時間を過ごせました。
エミール・ガレさん、ありがとう。