深呼吸図書館

悩めるあなたのための1冊アドバイザー“なついちご”が、今のあなたの気分にぴったりの本紹介します。

植松努 「NASAより宇宙に近い町工場」


植松努 思うは招く 人間力大学桑名校 登場  3月23日18時


Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo

 

 

昨日読み終わった本。

 

 

著者の植松努さん。

わたしが今、日本で一番尊敬する人です。

植松さんを知ったのは、数年前ネット上でたまたま見つけたTEDのプレゼンテーション動画がきっかけでした。泣いた!本気で。みんなに見てほしい、本当に素晴らしいプレゼンテーションです。心が震える、って、こういうことを言うんだ。と見終わったあとに感じました。

 

この本も、わたしは全日本人必読の書!だと思います。

素晴らしい内容。ほんとうに、胸が熱くなります。

みんなに読んでほしい。こういうときは、自分のブログの知名度のなさが悔しいね。

ふだんはひっそりしてるのが好きだけど。植松さんのことは、一人でも多くの人に知ってほしいです。

 

 

植松さんは、北海道の赤平というところにある「植松電機」という町工場の社長さんです。社員は20人。リサイクルに使うパワーショベルにつけるマグネットを製造しているそうです。そして、宇宙開発の仕事もされています。しかも自腹で!!

ロケットも、人工衛星も作れて、世界に三か所しかない無重力実験施設もつくってしまったそうです。

 

植松電機が自腹を切って宇宙開発をする理由は、有名になるためでもお金を稼ぐためでもありません。自分たちみたいにちっちゃい会社が宇宙開発をすることで、「どうせ無理」という言葉を世の中からなくすこと。

それが植松社長のやりたいことなのです。

 

「どうせ無理」➡「だったら、こうしてみたら」

 

そんなふうに考えることのできる人を一人でも増やしたい。それが植松社長の願いです。

 

この本は、勇気をくれる。

「自分もできるかもしれない」と、思わせてくれる。

「ダメじゃないかも」と、気づかせてくれる。

言い訳してる自分を恥ずかしいと思わせてくれる。

世の中のために自分も何かしたい。と思わせてくれる。

「失敗」は、成功するための「データ」でしかないと、教えてくれる。

そしてこれが一番大事。

こどもでもわかるような、やさしい言葉で書かれています。

本が好きじゃない人でも読めると思う。

 

以下、個人的に胸に響いた箇所を引用してみます。

 

 

● 大量消費社会の終わりについて

p41~

今この大量生産社会が終わり始めています。なぜそうなったのかというと、大量生産は大量消費を伴わなければ成り立たないからです。そして大量消費は資源の無駄づかいにつながってしまいます。人々がそれはまずいと気づき始めて、大量生産に翳りが見えてきました。

 

 たくさん消費しないと成り立たない大量生産社会から、節約したほうが豊かになる社会に変わっていく最中が今なんじゃないかな、と僕は思っています。

 だとしたら、今やってきているこの不景気というものは、一瞬のものじゃないですね。我慢していれば過ぎるものではなく、これからのスタンダードになる可能性があります。だったら僕たちがすべきことは無理やり大量生産社会を維持することではなくて、節約したほうが豊かになる社会に切り換えることじゃないでしょうか。この中で生きていく道を探るべきじゃないでしょうか。

 

● 「よりよく」を求める社会をつくろう

p45

「できる」と思ったらできます。

「できない」と思ったらできません。それが宇宙開発です。

 

p46

 僕たちがそうまでして、この宇宙開発をやっている理由はただひとつです。僕たちにとって宇宙開発は「手段」です。一番最初にも書いたように、僕たちの本当の目的は、宇宙開発を使って「どうせ無理」という言葉をこの世からなくすということなんです。

 

p47

 いろんな夢を持ったとき、周りの人たちから、「それはダメかもしれないよ」と言われることがあります。でも、「ダメかもしれない」と「できるかもしれない」は、確率は同じです。だったら、「できるかもしれないよ」と言われたほうが嬉しくなるに決まっています。一人でも多く、「ダメかもしれない」じゃなくて「できるかもしれない」と思う人を増やしたいと僕は思っています。

 

● 楽をしないで努力を楽しむ

p101

自分自身を資格だ試験だとかだけで評価してはなりません。自分の中には、もっともっと素敵な価値があるはずです。そして、自分の未来もやっぱり自分で支えなければいけません。誰かが保証してくれる未来はないんです。

 

p127

「俺はこんなにがんばっているのに、あいつはたいして仕事をしていない。でも、あいつのほうが給料をよけいにもらっている。面白くない」などと考える必要はまったくありません。人生、最後に勝つのはどれだけ「やったか」です。どれだけ「もらったか」ではありません。

 

● 自分の人生は、自分以外の誰も保証してくれない

p150

誰かが保証してくれる人生なんて存在しません。

だから、自分たちで繰り返し試して、自分たちで信じるんです。(中略)

失敗をデータにして前進できることこそ、大事なことだと思います。

 

そして、誰かが信じてくれることを期待していてはいけません。信じるというのは、自分自身の覚悟のはずです。誰かが信じてくれないと不満を言ってもしかたがありません。自分で信じることです。自分を信じて、裏切らないことが、一番大事なことかもしれません。

 

 

また、憶測の評論に負けてはいけません。「それ無理じゃないの、ダメじゃないの」と言われて、はいそうですかと言っていたら、そこでおしまいです。やってみればいいんです。そうすれば、自分の力がどんどん増えていきます。

 

● 人の可能性を奪ってはいけない

p163

 すべての人は世界を変える可能性があるんです。人の役に立つ可能性があるんです。だから、人を殺してはいけないんです。殺人が罪になるのは、人類にとって大切な一人の人間の可能性を奪ってしまうからです。可能性を奪うことが罪なんです。

 

 人にとって一番つらくて悲しいことは、可能性が失われることです。だから、言葉で人の可能性を奪うということも、殺人と同じくらい罪深いことなんです。「そんなもん、できるわけないよ」とか「やってもムダだ」とか「どうせ無理だ」というのは、人の心を確実に殺す言葉です。こんな言葉が世に満ちあふれています。  

 

 こんなくだらない言葉に負けないために、ひとことだけ、効果的なセリフがあります。「だったら、こうしてみたら」です。もう泣きながら、歯を食いしばりながら「だったら、こうしてみたら」だけを考えてください。

 

p189

 国家の総力は、そこに暮らしている人たちの能力の総和でしかありません。しかも能力の総和というのは過去の業績の総和ではなく、未来の可能性の総和です。

 本当の国家の総力というものは、そこに暮らす人たちの優しさと憧れの総和のはずです。だから、優しさと憧れを奪ってはならないんです。

 

p198

 どんなことでも、できる理由を考えればできるんです。できない理由を思いついたときは、それをひっくり返してください。それはできる理由になるんです。

 

長くなってしましました。

本当に本当に読んでもらいたい一冊。

わたしも甘えてたな、と思わされました。

人が信じてくれて、大丈夫!って言ってくれないと自分を信じられない自分の弱さ。

信じる、というのは自分自身の覚悟なのですね。

実際に行動する人の言葉は強いなぁ。

生きてぴかぴか光るな。

一人でも行動する勇気。

自分が、なにをしたいのか。

なんのために生きるのか。

それを、自分でわかっていて生きる人生にしたい。わたしも。

 

 

 

 

 

I Hear


Diana Ross/I Hear (The Voice Of Love)

 

冬になると聴きたくなる曲。

ダイアナロスの、「 I Hear 」

ダイアナは、とても敬虔なクリスチャンっぽいなあ、と思いながら、なんとなくクリスマスの気分でしっとり聴く。とても美しい旋律と歌声と歌詞なので、よかったら聴いてみてください。

 

サビの「I hear the voice of love」のところがすごく好きです。

 

Let Us Walk In Harmony

最近興味のある、ネイティブアメリカンについての記事を見つけた。

詳しい経緯はまだあまりよく知らないけど、なんだか感動してしまった。

今年一年の、よくもわるくも真実がどんどん明るみに出る流れは目を見張るものがある。

ameblo.jp

 

報道が一切されなくても、そんな流れを作るために行動している人たちがいる。

勇気を出して、自分もいつか、行動する側のその一人になれるように。

へんてこさに誇りをもてる唯一の方法

 

麦ふみクーツェ (新潮文庫)

麦ふみクーツェ (新潮文庫)

 

 

いしいしんじ「麦ふみクーツェ」の本の中に出てくる一節。

へんてこさに誇りをもてる唯一の方法

  

それは、「わざをみがく」こと。

わたしは、ここの部分の主人公「ねこ」と、その師匠のチェロの「先生」とのやりとりが大好きで、何度も何度も繰り返し読んだ。

どうしようもなく胸に響いて、痛いくらいに響いて、何度でも読み返した。

 

P391~抜粋

「へんてこで、よわいやつはさ。けっきょくんとこ、ひとりなんだ」

「ひとりで生きていくためにさ、へんてこは、それぞれじぶんのわざをみがかなきゃなんない」

 

「技?」

 

「わざだよ」

先生はこたえた。

「そのわざのせいで、よけいめだっちゃって、いっそうひどいめにあうかもしんないよ。でもさ、それがわかっててもさ、へんてこは、わざをさ、みがかないわけにいかないんだよ。なあ、なんでだか、ねこ、おまえわかるか」

 

「それは」

「それがつまり、へんてこさに誇りをもっていられる、たったひとつの方法だから」

 

「へえ」

と先生は口をとがらせ、「ねこのくせに、よくわがってやがんの」

 

              ・・・・抜粋終了

 

今日この言葉を久しぶりに思い出したのは、占星術勉強会の後に受けた、個人鑑定がきっかけだった。ああ。わたしがあの言葉にこんなにまで惹かれてしまったのは、心のどこかで自分が「へんてこ」の仲間だとわかっていたからなのだな。とおもった。

 

今回受けたような、本格的な長時間の鑑定は人生で初めてで、とても面白くて有意義だった。やっぱり、ちゃんと実力のある人に見てもらうのは、全然金額の高さを感じない。感じさせない鑑定自体のレベルの高さ。そして、先生のどこまでも謙虚で占星術と、鑑定を受ける人への愛情が滲み出るお人柄。

 

わたしのホロスコープ占星術で使う、星の配置を表した図)って、本当に偏っていて、まあるいホロスコープのごく一部の場所にかたまって天体がある。

そのことを、学べば学ぶほど「なんだかな~、つまんないな~!自分!」と思っていた。なんていうか、まじめすぎて、つまんない感じ?真面目なのに、なぜか組織でちっともうまくやれない自分にがっかり&いら立っていた。

そのことを読み解いてほしくて、先生のお話に耳を傾ける。

そんで、わかったこと。

 

どんだけ抵抗しても、課題って追いかけてくるんだな!

ホロスコープは、生まれてくる前に自分で決めた「今世で学んだり経験することのテーマ」として読むこともできるらしい。

 

王道を行きたいのに行けない自分が本当に嫌いで、悲しくて、なんでできないんだろう。と悩んで、でもどうしてもできない。その葛藤。

それを解消させるためには、もう自ら向きあうしかないんだな!と観念しつつある。

今日の鑑定を受けて。

 

もうわたしって、どうやっても万人受けしないし、人の下で働けない人間なんだよ(笑)とにかく、限られた専門分野において技術を磨く。そのためにひたすら勉強する!キーワードは世のため人のため。せこせこ勉強して身につけた技術を人のために使うことで、真の人生の生きがいを感じられるようだ。

 

占星術では、各天体、星座ごとに「火、風、土、水」の要素で分けられているのだが、わたしは圧倒的に「土」の要素が多い。ほんと、つまんない!と自分ではかなり不満。

真面目!現実的!実務的!みたいなね。

だけど、どうやっても、そこをがんばるしかないんだね。

あーあ。

 

抵抗してる限り、自分で認めて、能動的に動かない限り、問題は外の世界からやってき続ける。たまんねー!!もういい加減、あたしゃ次に進みたいんじゃ!

そのためには、やるしかないのね!くぅ~!スパルタだな。

 

もう、できることをやるしかない。

だって、やりたくないことはどんなに自分を「~しなきゃ!」で納得させようとしても、結局続かないし、やりたくないんだもん。

だから、結局、できることでがんばるしかない。

 

結局、なにかを始めたり続けたりするには、「単純な理由」がいちばん強いんだな。と再確認。「なんかわかんないけど、好きだから!」「やってると楽しいから!」「べつに好きでもないけど苦にならないから」「喜んでもらえるとうれしいから」

 

スウェディッシュだってそうだもん。スウェーデンが好きだから!って、単純の極みじゃない(笑)占いもね、なんかわかんないけど、勉強楽しいし先生も一緒に勉強してる仲間も好きだから!って理由だけでやってる気がする。

もうそれでいいや。ここんとこ、お金使って勉強しても、使った分ちっとも回収できてないし稼げてないし、やってる意味あるのかな?とか。いろいろ難しく考えてた自分がいた。いいんだ、いいんだ。単純で!

よくもわるくも、わたしにできることって本当に限られているんから、集中してやってこう!そんなふうに思わせてくれた、人生を歩むうえで道しるべになってくれるような、素敵な鑑定でした。興味のある方はぜひ。

ameblo.jp

 

あ、そうだ。近日中に、公開処刑星占いを、このブログ上でやりたいな。と妄想してます。コメント欄で依頼のあった人に、そのお返事としてコメント欄でサクッと返信。みたいな?わたしはてなブログの使い方いまいちわかってないけど、アメブロみたくメッセージって送れるのかしら?

 

だから、やるとしたら、もう公開処刑されてもいい人(笑)

もちろん、ペンネームで。素性がわかる情報は一切載せず。

性別と、生年月日と、出生時間(わかれば)、出生地、いま悩んでること。主婦なのか学生なのか。くらい書いてもらって、素人に毛が生えたか生えてないかのようなわたしの、個人的な勉強のための餌食にされたいドМな人(笑)がもしいるのならば。

クレーム一切受け付けず。当たったか当たってないかは知りたいので、一言でもフィードバックはほしいな。

まあ。今どき、星占いはいくらでもネット上で無料でできるので、あくまでとっても酔狂な方いらしたら試しに言ってみてくださいね(笑)

たぶん0件、だと思うけど。ものは試し!

ちなみに、わたしはホロスコープの中に「カリスマ要素」を2つもっているので、ハマればハマるかもよ(笑)

木の葉舞う図書館とジャズの流れる喫茶店

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黄色い銀杏の葉が風に舞い狂う、銀杏並木の街路樹の下を、自転車走らせて図書館へ。

今日はほんとうに良いお天気でしたね。

返却日を3日過ぎてしまった本をごめんなさいしつつ返す。

引っ越してきてから2年過ぎるのに、この図書館をちゃんとくまなくうろつくのは今日が初めてでドキドキした。思ってた何倍も広くて、おいてある本の数も多い。

最近どうがんばっても期限内に読み終われないから、図書館自体あんまり来てなかったし、古本屋に入り浸る日々だったので足が少し遠のいていた。でも、買っても増える一方で部屋を圧迫してくるし、やはり図書館のお世話になるほうが賢い!と再認識。ただでこれだけの本が借りられるって、本当にありがたいことだな。

 

≪ 今日借りた本 ≫

 

・ 臨死 天国からの電話(ネッド・ドハティ)

・ 小さな幸せ46こ(よしもとばなな

・ こんがり、パン

・ 星占いのしくみ(石井ゆかり鏡リュウジ

・ レモンパイはメレンゲの彼方へ(もとしたいづみ)

・ バタをひとさじ、玉子を3コ(石井好子

・ NASAより宇宙に近い工場(植松努)

 

読み切れないから最大3冊、という家をでるときの掟を早速破る・・・。

お料理エッセイが大好きなので、かわいいタイトルのを3冊も借りれてうれしい。

あとはがんばって読むのみ。

最近、ほんとに速読の技術がほしい。

読みたい本に対して、自分の読む力(集中力)やスピードがまったくおいついていかないもどかしさ。

 

あと、家にいて予定がなくても外が晴れてるとそわそわして、なんだかひどく時間を無駄にしてる感じがして昼間本を落ち着いて読んでいられない。

わたしの心の中に住んでる「強迫観念」って、けっこうやっかいで、今日も図書館にいても落ち着かない自分ちょっとやばいな、って思った。

「こんなことしてていいのかな。もっと、役に立つ、有意義な過ごし方しなくちゃ」「ああ、こんなにだらだらしてたらだめなのに。」みたいな気持ちが常にあって、心の芯からくつろげるってことがよく考えたらあんまりないんだよ。

でも、有意義な時間の使い方をできてるときって、人生でほとんどないんです(汗)

 

 

その状態を自分でも、やばいな。と思って、本を借りた後に、図書館の中にあるカフェに寄ってみた。目的は、コーヒー飲みながら窓の外の枯れ葉舞い散る木々を眺め、ぼーっとしたり本を好きな箇所だけ思いつくまま読んだりすること。

これが、驚くほどよかった(笑)

こじんまりした店内にはお客さんもわたし一人で、椅子も大きくて座りやすいしコーヒーもお安い。耳に心地の良いジャズが流れていて、かなりほっとしてくつろげる素敵な空間でした。今まで、目にしてたのに入ろうと思うことがなかったのだ不思議だ。

自分が楽しいと思える行動、それをもっと意識的に開発しよう!と一人心に誓った。

夕暮れの街路樹からはあとからあとから木の葉が舞って、ジャズは軽快に流れ、目の前にはまだ読んでないけど自分の好きそうな本たち。

なんて幸せなんだろう。

 

豊かさとか、幸せって、きっとこういうこと。

こんなに手の届く近くにあるのに、手を伸ばさないとなかなか手に入らない。

最近の自分の生活の中で、ファミレスでも、チェーンのコーヒーショップでもない場所でコーヒー飲んで本を読んだりすることはかなり久しぶりだった。

きょうは、この幸せな余韻をたっぷり味わったまま、ここんとこめんどくさがって手抜きをしまくってた料理を真面目にやろうと思います。

 

おまけ

帰り道、真っ暗な夜道を強風の中チャリで走ってたら、顔に「ぺちーん!ぺちーん!」と何かがぶつかってきた。いってー!と思ったら、風にあおられて狂暴化した銀杏の葉っぱたちなのでした。銀杏に笑い、銀杏に泣いた一日。。。

 

真珠湾攻撃は日本が本当に悪いのか

わたしは、ずいぶん前にこれらの記事を読んで、教科書にあるような開戦のストーリーを信じていない。

 

安倍首相はなんのために、何を意図して行くのだろうか。

 

いつの時代も、戦争をしたくてしたくてたまらない悪魔のような心を持った輩がいるのだ。そのごく一部の権力者やお金持ちが、真実がどうであるかなどまったく気にもかけず、民衆をいとも簡単に自分たちの都合のいいように扇動して、時代の流れを作っていく。煽られてはいけない。神様は、ひとりひとりの心の中に宿っている。

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梨木果歩の世界に憩う

大好きで尊敬する梨木果歩さん。

2冊読んだけど、どっちもとても素晴らしかった。

こんなに中味の濃い上等な物語を語れる人は、なかなかいないと思う。

 

海うそ

海うそ

 

 なかなか読む時間がとれなくて、読まないまま図書館に返してしまおうかと思ったけど、読んで正解。すごくよかった。

でも、そのよかった、の中味を語れる語彙力がないのが悲しい。

 

時代は昭和のはじめ。

主人公は、若き人文地理学の研究者。

フィールドワークのため南九州の遅島(架空の島)へと旅立つ。

かつて修験道の霊山でもあったその山で、大学の夏季休暇を利用して現地調査をすることが彼の目的である。

しかし、彼は都会からずっと離れた、打ち捨てられたような孤島にどうしようもなく惹かれてしまう、ある個人的な心の闇を抱えていた。

 

なにがすごいかって、梨木さんのもう専門家と言っていいほどの植物や動物、山や家々の描写がすごい。詳しすぎる。巻末の参考文献を見てもわかるとおり、この方本当に詳しく勉強されています。失われゆくものへの愛情と惜別と虚無を、これほど巧みに表現できる力量は圧巻。

神仏分離廃仏毀釈」がこの本の根底を流れるテーマである。

わたしも昔少し勉強したが、読んでいて胸が痛かった。

明治政府って。明治維新って、なんだったのだろうか。

そこが、日本という国のかなり大きな分かれ目だったのだと強く感じる。

 

徹底的に破壊された民間信仰、その象徴である「モノミミさん」というシャーマンの存在。アニミズムを、これでもかというほどに破壊しつくして、現代文明がある。

もののけ姫じゃないけど、人間は確かに、「山の神」を殺してここまできた。

だけど、生きていくしかないのだ。生きている以上。

そんなふうに、物語はするりとまとまっていく。

ぜひ、読んでほしい本です。

 

丹生都比売 梨木香歩作品集

丹生都比売 梨木香歩作品集

 

 こっちは一か月以上前に読んだ本。

とにかく装丁の美しさに惚れ惚れする。

なんて美しく奥ゆかしい装丁なんだ。

品が良いとは、このこと。

梨木果歩、作品集。ということで、短編から中編が収められている。

自分がだれで、いまどこにいるかを本気で見失ってしまいそうなほど、するりと異世界に迷い込ませてくれる手法は見事。これぞ、梨木果歩の真骨頂とも言える。

わたしは、表題作であるに丹生都比売がやはり印象深かった。

 

主人公である草壁皇子は、うののさららの皇女(のちの持統天皇)を母に持ち、父は大海人皇子(のちの天武天皇)。壬申の乱草壁皇子の視点から描いた物語とも言える。申し分のない血筋の生まれでありながら、病弱で自信のない少年は、都を追われ、吉野の地で「丹生都比売」という、水銀と清らかな水を統べるご神霊の力を借りて蘇りの力を得ようとする両親とともに不安な日々を過ごす。

 

丹生都比売さまがなかなか父である大海人皇子の元に現れず焦りが募る一行だが、その間に草壁皇子は「キサ」という口のきけない不思議な女の子と次第に仲良くなっていく。果たして「キサ」の正体は?大海人皇子一行は丹生都比売さまのお力を得て本当に都へ帰れるのだろうか??というのがこの物語の主な内容です。

 

幼い少年少女が主人公の古代のお話がわたしは大好物なので、鼻血吹きそうに興奮しながらいっきに読んでしまった。

結論、おもしろい。

文章や話の流れがとても美しくてうっとりする。

そんでもって、うののさららの皇女が怖すぎて慄く。

草壁君のひ弱さがきゅんきゅんきて、とてもよい◎

 

うまく感想言えないです。

この本のよさの100万分の1も伝えられない。

文章うまくなりたぁ~い!

読んでください!梨木果歩好きは必見の2冊でした。