書こう書こう、と思って日にちがすぎてしまった。
この映画の感想。
わたし、芸能人の中で一番好きなのが生田斗真さんです。
顔は竹野内豊さんと迷うけど(笑)
でも本当に大好きで、彼がまだ「天才テレビくん」に出ていた時からずーっと応援しています。ファンクラブに入らず、こっそりと。
なので、「生田斗真出るんだ~!見なきゃ。」
と思って、特に監督も公開日も映画の内容もなにも知らないまま日々をだらだら過ごしていたら、なんと見るのが映画上映終了の一週間前になってしまった。焦った(゚д゚)!
だって、1800円も払いたくないからさ、仕事なくて安い日って限られるんだもの。
そんで見てきました、この間の土曜。
良かった!良すぎた!泣いた!
軽いな、なんか(笑)
もっとこう、ふかぁ~く心の底からじんじんくるような大きな感動だった。
しかもさ、監督あのかもめ食堂の「荻上直子」さんだったのね?!
あたしゃどんだけうっかりしてるんだよ。
こりゃあもう、好きな話に決まってるじゃないか。
キャストも、みんな好きな人だよ。桐谷君もミムラも好き。
そして、話がちゃらけてないところもいい!売れ線!商業用!ってところからは一線を画した内容。
監督が「自分の好きなようにやらせてもらった」「もはや癒してなるものか!」とおっしゃるだけのことはある、メッセージ性の非常に強いストーリーでした。
生田斗真演じる主人公の「リンコ」は、トランスジェンダーの女性。
桐谷健太はその恋人役の「マキオ」。
そして、本作で映画本格デビューというのが信じられない柿原りんかちゃんは、マキオの姪っ子役の「トモ」を熱演。
母親に家出されたトモが、マキオとリンコが同棲している家へとやってくるところから話は始まります。トモの母親は男ができると子供をほったらかして家を出てしまう困ったお母さん。そのお母さんをミムラが演じている。
脚本がとてもていねいで、変に話が飛ばされたり、無理なハッピーエンドじゃないところがとても好感が持てた。
話の内容自体がかなり面白くて、役者さん全員、演技って嘘でしょ?ってくらいに芝居が上手。そして、登場人物全員がかなり深い悩みや問題を抱えているのに、監督がその誰一人として「悪者」にしなかったところにわたしは泣けた。
トモのお母さんはダメな人だ。
だけど、ちゃんとなぜダメな人なのかの背景まで踏み込んで描かれているところに泣けた。
虐待とまではいかなくても、母親との関係が破たんしていた子ども時代。
そして、その母親=トモのおばあちゃんは、夫の浮気に苦しむ日々を過ごしていた。娘へのあたりは厳しいが、息子は溺愛。
う~ん、なんて世の中によくある話!
全部の登場人物が、現代社会の問題をひとつひとつ背負っている。
だけど、ただ重たい話にしない。
笑わせる!ほっこりさせる!そして思いっきり泣かせる!
そのテンポも手法もとにかく絶妙なのだ。
すごい、荻上監督!と、それに食らいついていった役者陣!
タイトルにもなっている「彼らが本気で編んで」いるのはなんと、リンコが性別適合手術を受けたときにさよならしたリンコの「〇〇こ」なのです。
ずこってなる(+_+)まさか?そうきたか?(笑)
リンコの思春期の苦しみも劇中で描かれているけど、胸が苦しくなる。
そしてまた、リンコの母親役の田中美佐子の演技が本当に素晴らしい。
世の中の大多数の娘たちはみんな、彼女のような母親に、ああいうセリフを言ってほしいと熱望して、もらえなくて、心の傷を持て余しているんだろう。
個人的には「所詮ジャニーズ」と思われる面が残念ながらファン以外の人からはこれまであったように思う生田斗真の真の演技力、実力がこの映画で発揮されまくってうれしい。彼のファンじゃなくても、認めざるを得なくなるような、本当に素晴らしい演技だったと思う。彼に成り代わって、心の中で「どうだ~!これが生田斗真の実力じゃ~!!参ったか!!!」とシャウトしたことは言うまでもない(笑)
リンコさんという人間の魅力、やさしさが、この映画全体を、人生の苦しみや悲しみをあたたかなやわらかいピンク色の光で包み込んでいるよう。
みんなに見てほしい。
トランスジェンダーの人への差別。
ネグレクトの問題。
母と娘。
いろんな要素がたっぷりつまって、だけど必ず元気をもらえます。
心の中に「生きよう」と思えるあったかい液体が満ちてくる感じがする。
誰かを悪者にせず、だけど自分もストレスをためず、愛に満ちた人生を送りたいと願うすべての人を、リンコさんが応援してくれている。
そんな映画でした。
この映画を作るのにかかわられたすべての人に感謝します。
素晴らしい作品をどうもありがとう。