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深呼吸図書館

悩めるあなたのための1冊アドバイザー“なついちご”が、今のあなたの気分にぴったりの本紹介します。

今日は生きるのにもってこいの日!

雨の日になんにもせず、一日中寝っ転がって本を読むのが至上の幸せで、

今日は丸一日かけてこの本を読破した。

 

ベア・ハート「母なる風の教え」

ブログのタイトルは、本の帯に書かれていた言葉です。

なんていい響き。

 

母なる風の教え

母なる風の教え

 

 ベア・ハートは、ネイティブアメリカンです。

米原住民ムスコギ・クリーク族長老。

メディスン・マンとして、永年人々の肉体・精神の癒しの業に携わっている人。

本文中の説明によれば、

 

一般的に「メディスン・パーソン」と呼ばれるのは、人のために神から助けと癒しを得られるように知識を身につけた人である。

 

と書かれている。つまり、シャーマンのことですね。

 

長い人生の中でこの本に出会えたわたしはかなりラッキーだ!

288ページある本文の、一言一句が体験に基づいた深い智恵に根ざしていて、最初から最後まで息を抜ける部分がないまま、まばたきもあまりせずに読み進めてしまった。

こんなに中味の詰まった名言だらけの本も珍しい。

翻訳も本当に素晴らしくて、難解なところも不自然なところも一切なく自然に感情移入しながら読み進めることができる。訳者の方が愛をもってこの作品に携わられていることがあとがきからもひしひし伝わった。

 

あまりに素晴らしい内容なので、わたしのような薄っぺらい人間が変に言葉で感想を紡ごうとするとなんだかこの本全体にかけられた魔法を壊してしまいそう。

でも、絶版になっているようだし、感動した箇所を何回かに分けて、すこしずつ書き記しておきたいと思う。

 

ベア・ハートさん、絶対にルーツは日本人だと思う。

裏表紙にあるお写真のお顔を見て、読む前に思った。

「この人絶対元は日本人だ!」って。ルーツがつながっているはず。

北米インディアンも、アラスカのエスキモーも、遠い昔に離れ離れになった同じ民族なのは間違いないのではないか。だって、顔がさ。中国人でもインド人でも韓国人でもなく、日本人なんだよ。それも縄文系の。日本人っていうより、日本にもともと住んでいた土着の民族。って表現のほうがいいのだろうか。

著者自身が自分のルーツについて述べている箇所と、星野道夫さんの本に書かれていたインディアンのルーツに関する推測が、ぴったり重なる記述があって、ちょっと震えた。今度、詳しく書き出してみます。

 

本文の中に繰り返し出てくるインディアンの教えと、日本古来の「神道」そして「アイヌ文化」は根底で必ずつながっている。というか、言ってることほぼまったく一緒!!

特にアイヌ文化との共通点をいたるところに感じた。

いろんな意味でもう興奮が止まらない一冊なのでした。

 

本文の書き出しが本当に本当に美しくて素晴らしいので、長くなるけど載せます。

これはもう、幸運にも現代に伝えることを許された完成された神話の世界のお話だ。

 

以下 p13~引用

 

 わたしが生後三日目のときのこと、母はわたしを家の近くの丘の上に連れていき、母なる自然に紹介してくれた。まず四つの方角---東、南、西、北。「この子に特別な祝福をお願いします。あなたがたは、わたしたちの暮らしをとりまき、わたしたちを生かしてくれています。どうかこの子を守り、調和のとれた人生を送ることができますようお導きください」

 

 それから母は、わたしの小さな足を大地につけた。「母なる大地よ、いずれこの子も、あなたの上で歩き、遊び、走り回るようになります。わたしは、この子があなたに敬意を抱くように育てていきます。どうかこの子を支え、お守りください」

 

 それから太陽に紹介された。「父なる太陽よ、成長していくこの子に光を注いでください。この子のからだのすべての部分が、肉体的のみならず精神的にもすこやかに育ちますように。どうか、あなたのあたたかで愛情に満ちた力で、この子を包み込んでください。もちろん人生には曇りの日もあるでしょうが、そんなときでもあなたが輝き続けていることはわかっています。どうかこの子を照らし、お守りくださいますよう」

 

 母はわたしを抱え上げ、風にあててから、話し出した。「どうかこの子をお見知りおきください。風は強く吹くときもあれば、やさしいときもありますが、この子が常にその存在の意義を理解しながら成長することができますように」

 

 次に水に紹介された。「水よ、わたしたちはあなたなしでは生きることができません。水は命の源です。どうかこの子が、渇きを味わうことがありませんように」

 

 それから母は、わたしの額に灰をのせて言った。「火よ、この子の人生の障害となるものを焼き払ってください。この子が、あらゆる命を愛し敬うことを学んでいく途上でつまずくことがありませんように」

 夜になると、満月と星に紹介された。すべての自然が、わたしの成長を見守ってくれた。わたしは母なる大地が与えてくれた草のじゅうたんの上を走り回って成長した。わたしが吸い込む空気は、命を保ち、吐き出すときには、からだじゅうのすべての毒素をとり去ってくれた。

 

 わたしは成長するにつれ、自然とのつながりを意識するようになった。それは、わたしの部族が自然と深く関わっているせいだろう。わが部族の民の大半が、いともたやすく周囲の環境になじむことができたのもそのためであろう。わたしはずっと昔に、自分のまわりに多くの生命が息づいていることを知ったーーー水の中に、土の中に、植物の中に。子供たちは幼い頃に自然に紹介されるために、成長していく過程で、自然を見下したり、見上げすぎたりということがなくなる。我々は、自分が自然の一部であり、ほかの生物と同等であることを感じ、草の葉一枚、木の葉一枚にいたるまで大切にしてきたのである。