久々に手にとったら、良すぎてうっかり泣きそうになった。
主人公の清(きよ)は、大学を出たばかりのやる気のない国語講師。
とある海辺の街の高校の、文学部の顧問になるところからお話は始まる。
清は、高校時代暑苦しいほどの熱血バレーボール部を率いる部長だったが、ある理由で熱血をキッパリ捨て、適当に生きるというモットーを忠実にこなす。
文学部の部員はたった一人。
もっさりしたヲタクを想像していた清だが、その予想は裏切られ、いかにもスポーツの似合いそうな好青年、垣内くん。
彼が真剣に文学を楽しむ様子が、純情でこっけいで微笑ましい。
そして、熱血を封印したはずの清だが、彼と接しているうち知らず知らずに漏れ出てしまうのだ、熱血が!(笑)
清の弟もとても優しくて魅力的。
清が毎月欠かさずにお墓参りに行く同級生のお墓でのシーンが、なんだかリアルで心がシーンとなる。
まあやっぱり、一番は活気溢れる文学部の活動です。二人のトンチンカンなやりとりが可愛くって癒やされます。
垣内くんに影響された清の国語の授業もとても素敵だ。
清の彼氏の不倫相手も、いろんな意味でダメな奴で笑える。
果たして、文学部の最後の日の二人の部活動費の使い道やいかに?!
ハラハラドキドキ!(笑)
誰かを裁きたくなったとき
自分の中の正義をふりかざしたくなったとき
この本を読むと、荒れ狂う海みたいな心がスーッと凪ぐのがわかる。
大好きな本です。
ぜひ、読んでみてください(*^^*)