2日ほど前から、この本が頭の中で点滅している。好きな本ベスト10には入ると思う。
大好きな本。
自分で立つ、ということを、初めて意識させてくれた本だと思う。
あれから20年近く経って、生きづらい思春期の中学生だったわたしは、生きづらいアラサーになり。結婚したところで、悩みは消えないし、もがいてた。
だけど、落ちて落ちて失敗続きで、自分の人生どうにかしなきゃ!と思ったとき。
必死でもがいてうごいてる中で、何人かの「善き魔女」に出会いました。
魔女たちは、みんな魅力的で、お茶目で、自分を信じ、見えない世界を信じ、命を生かす前向きな力を信じていた。
だから、わたしもそう生きたい。
そう、生きれる。と、決めることにした。
本文の中で、主人公のまいがおばあちゃんとジャムを作るシーンがとても好き。
まいは、おばあちゃんから魔女トレーニングを受ける。そして、いろいろ勉強してみて、このトレーニングはかなり的を射て、正確な内容だと感じ入る。
規則正しい生活。
日々のささいなことを、自分で決めること。
悪い感情に流されてしまわないこと。
p86
まいの魂は一瞬にして現し身を抜け、庭や野山を風のように駆け巡った。そして決めた。
「おばあちゃん、わたし、決めた。いちばん好きな場所」
p118
「じゃあ、魔女って生きているうちから死ぬ練習をしているようなもの?」
「そうですね。十分に生きるために、死ぬ練習をしているわけですね」
p119
「成長なんて」
まいは、なぜだか分からなかったが腹が立ってきた。
「しなくったっていいじゃない」
おばあちゃんは困ったようにため息をついて、
「本当にそうですね。でも、それが魂の本質なんですから仕方がないのです。春になったら種から芽が出るように、それが光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているのです」
まいは何となく、納得したくなかった。けれど、長年心にあって苦しんできた重石がようやく取り除かれて、別のドアが開かれたような、明るい気分にもなってきているのも事実だった。
p138
「いいですか。これは魔女修行のいちばん大事なレッスンの一つです。魔女は自分の直感を大事にしなければなりません。でも、その直感に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直感は直感として、心のどこかにしまっておきなさい。そのうち、それが真実であるかどうか分かるときがくるでしょう。そして、そういう経験を幾度となくするうちに、本当の直感を受けたときの感じを体得するでしょう」
本文のラスト3ページは、何回読んでも号泣する。ニシノマジョからヒガシノマジョへのまばゆい光のように降り注ぐ愛に満ちたメッセージ。
新潮文庫の帯のことばもすごく好き。
*** 自分の足でまっすぐ立って歩いていくための魔法ーーー。 ***
いくつになったって、何度どん底へ落ちたって、助けてくれる本を手に携えて、純粋な中学生に戻ったみたいに、毎日を生きるのだ(*´∀`)