ばなな読みたい気分だなぁ~と思いながらなんとなく寄った図書館で、ずっと読みたかったこの本を見つけた。
とても気高く光を感じさせる本でした。
もはやこれは、文芸書の形をとったスピリチュアル本ですね。
シャーマンが一筆書きでいっきに書き上げたかのような、魔法の力に満ちた一冊。
ばななさんご本人もあとがきで、「書いてる間のことを覚えていないチャネリングみたいにしてできた本」と語られています。
うろ覚えだけど、なにかの対談かなんかで、「生きてる間にこの本が書けて良かった」「人生最高の出来だ」的なことをおっしゃっていたような。
この本を一言で表すとしたら、「祈り」だ。
光を届けたいという切実な祈りを込めて作られているような気がする。
ただ、その分登場人物がみんなほんとうに人間できたいい人ばっかで、ちょっと息が詰まる感じもある。そんな気高く正しく自然に生きられねーよ!みたいなやさぐれた自分が読みながらもちょくちょく顔を出す。
もう、完全に悪か完全に光!!みたいな線引きがすごい。
要するに勧善懲悪だよね。善が悪にかつ!!!みたいな。
久々にそんなきっぱりとした本を読んだ気がするわ。
主人公の女の子、幹ちゃんは海辺で拾われた捨て子で、子供ができず、ほしくてたまらなかった両親に引き取られ幸せに暮らしている。
実家は田舎町でB&Bを営んでおり、それを始めたおじいちゃんが、スピリチュアルリーダー的な存在。昨今流行りの「引き寄せ」をいとも簡単に使いこなせるすごい人。
おじいちゃんが亡くなり、B&Bの裏に住んでいたおじいちゃんのことをずっと好きだったと思われるおばあさん=「この物語における完全なる悪人」が所有していて今は廃墟となった呪いのビルをめぐってお話は展開していく。そして善が勝つ(笑)
たぶん図書館に返すまでにあと2回くらいは読むと思う。
P22~23のおじいちゃんのセリフが本当に深い。
自分にちゃんとしみこむまで、何回でも読みたい魔法の言葉が書かれている。
ちょこっとだけ抜粋。
自分の人生は自分しか助けられない。
自分を助けられたら、きっと神様も釈迦も地球もなんでもかんでも助けてあげられるんだ。
花のベッドで寝ころんでいるような生き方をするんだよ。
ばなな好きにはぜひ、読んでみてほしい本でした。