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深呼吸図書館

悩めるあなたのための1冊アドバイザー“なついちご”が、今のあなたの気分にぴったりの本紹介します。

よしもとばなな「なんくるない」

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今週から夏休みの方も多いのではないでしょうか。

暑いですね。

海は大好きなんだけど、今年は海に行く予定がちっともなくて寂しいな。

この前伊勢で二見浦に行ったからそれを思い出して我慢しよう。

写真は西表島の「星の浜」みたいな名前のビーチだったと思います。何年前だろ。

 

よしもとばななさんの「なんくるない

 

なんくるない (新潮文庫)

なんくるない (新潮文庫)

 

 彼女の作品の中でも3本の指に入るくらい好きな本。

若い時、沖縄に旅行に行くたびに必ず連れて行った本の一つ。

人生にちょっとつまづいてる不器用な人たちが主人公の4つのお話から成っている。

 

わたしは、やっぱり表題作の「なんくるない」が一番好きなんだけど、主人公はあんまり気の合わなさそうなタイプだなぁ、と思う。

1つ目のお話も切なくて、主人公のおばさんがその中学生の女の子を励ますシーンに一緒に励まされて、ぼろぼろ泣いてしまう。

本当につらいときに胸に染みてくるようないいことを言ってるのよ、このおばさん。

この人生で何度も励まされるような素晴らしいセリフ。46ページからね。

 

表題作「なんくるない」の主人公は、離婚したての30代女性。傷ついてる様子が生々しく、そこから沖縄の自由な空気の中で立ち直っていく様子は圧巻。ばなな、すごい。

これぞばななの本領発揮!!といったところ。彼女はこういうお話が本当に上手だなぁ。

 

主人公が結婚生活の中で抑圧されていた本当の自分、自由な自分を再発見していく様子は、見ていてとてもすがすがしいし、うらやましい。

新しい沖縄の彼氏のお家がやってるイタリアンレストランの外観の描写とかも、メルヘンチックで隠れ家的で実によかった。ワクワクする。もちろん食べ物の描写も食いしん坊なばななさんらしく抜群の表現力!

わたしも一人で地方や異国の食堂とか入るの全然平気なタイプなので、主人公の「自由で楽しい気持ち」が本当によくわかる。

 

人生で本当に大切なものってなんなんだろうね。

みんな、そのときそのときでベストな選択をしているはずなのに、なんで失敗しちゃうんだろうね。

 

また一人旅で沖縄に行きたいな。

ずっと、見ないふりして、だましだましやってきたけど、わたしもちょっと決定的になりそうな大きな失敗が一つあって、かなり落ち込んでいる。

わたしの人生、驚くほど失敗続きで、そのたび自分をやめたくなる。

一つ下の弟は、めちゃくちゃ優秀で何もかもをもっている。

どうすれば、うまく生きて行けるのかな。

自分の人生の何もかもが間違っていたような気がしてしまう。

今度生まれてくるときは、要領のいい、器用な人間に生まれて来たい。

こんだけ失敗ばかりだと、がんばって前に進んでも進んでもちっとも前に進んでないどころか、後ずさってる距離のが長い気すらしてくよ。

 

いまのわたしはちっとも「なんくるない」くないけど、いつかこのブログを読み返した時に「なんくるない!」状態になってる希望を捨てずに、今をじりじりやりすごしていくしかない。

 

 

 p207

 力を抜いて、きれいな水の中を流れて、流れて、ついたところがいちいち

自分の場所だ。

 これからは、そういう人生にしよう。

 

 

 

なんだかんだと文句を言いながら、本当に弱ったときに助けてもらうのっていつもばななさんの本な気がする。命の恩人だよ。

沖縄への愛、そして自分自身を愛そう!というメッセージが全体を通してひしひしと伝わってくる一冊です。