深呼吸図書館

悩めるあなたのための1冊アドバイザー“なついちご”が、今のあなたの気分にぴったりの本紹介します。

山本健造「明らかにされた神武以前」

気持ちのいいお天気だ。

新緑から初夏へと移っていくこの時期の生き生きした輝く緑と、爽やかな陽気って大好き。亡くなった父は、この時期のケヤキの木が好きで、家族でよく自転車走らせてお散歩に行った。

 

さっき、いつも使ってるハンドソープが切れちゃったので、最近通ってなかった遊歩道を通ってセブンイレブンに行く道すがら、知らない間にシロツメクサがどわ~っとすごい勢いで咲いていてびっくりした!

突然現れるね、君たちは。

 

シロツメクサが大好きなんです。

冠作るのも大好きなの。

でも、大人だから作りたくても我慢してる(笑)

作った後の花輪をどうするかってのも大きな問題だしね。 

あのなんとも言えない青臭いようなにおいも最高に好きなんだ。

 

オオイヌノフグリの青に、たんぽぽの黄色に、ケシの花のオレンジ。

ぺんぺん草のくしゃっとした白と逆さにしたハートみたいな葉っぱ(あれは葉っぱじゃないのかな?)

盛り上がるクローバーの勢い。カラスノエンドウのミニチュアみたいにかわいいおまめのさや。

 

5月の季語、「風光る」はまさに!ですね。

 

さて、久々の更新。なわりにマニアックな本。

やっと読み終わったから記念に載せとこうと思って。

いやあ~、読み終えるまで半年近くかかった。

もちろん毎日読んでたわけじゃないけど、ほかの本を間にはさみつつ気が向いたら読んで、やっとやっと昨日読み終えたわ。

 

最初のほうの内容ほとんど忘れちゃったし(笑)

 

 

明らかにされた神武以前―日本民族!その源流と潜在意識

明らかにされた神武以前―日本民族!その源流と潜在意識

 

 

内容は、簡単に言うと古代史ミステリー的な?

まあミステリーでもないんだけど、日本で一番最初に陸が盛り上がって、人類が発生したのは岐阜の飛騨にある乗鞍岳だ。という説を著者が検証しつつ熱く論じている。

 

日本の神々の系譜についても「物申されて」いて、古事記は改ざんされている、という説はよく耳にしますが、彼もその立場であるようです。

 

最近軽い本しか読んでないわたしには、学術書チックなこの本ほんっとに小難しくて読みづらくてつらかった。中味も研究者らしく、くどくどしてて(笑)

研究者って要するにヲタクだよね。この本の著者は霊能力もあったというお話。

 

だけど、定年まで学校の先生をする傍らこの本を執筆するための調査をして、また退職した後にさらに勉強のためどっかの大学に入りなおした、という経歴をお持ちです。

非常に勉強熱心な方で、かつ「人のために」というお気持ちが伝わってくる文中のエピソードもあり、わたしの中ではとても好ましい信用のおける人物に思えました。

 

飛騨の山奥に昔から伝わるという伝承≪ある極秘の口伝≫を、著者がとある老翁から聞かされることからこの本は始まります。その口伝を、戦争のない自由な時代になったら世の中に広めてほしい、というのが老翁の、著者を見込んでの頼みなのでした。

その老翁の話が奇想天外で面白いの。

信じるか信じないかは個人の問題だし、わたしはこの本の内容について検証する術を持たないけれど、どっちかというなら信じる派。

 

飛騨には、ノーベル賞を二人も出したニュートリノの研究で知られる「カミオカンデ」もありますね。なんだか偶然とは思えない感じ。

 

日本のルーツを知るうえで、とてもためになる本でした。

けど、長い!

まず目次からして、あんなに長い目次読んだことない、ってくらいに長い(笑)

 

でも、今の日本の状況を予言するかのような、日本という国と、日本人全体に向けた著者のメッセージも終盤には熱く込められていて、一読の価値ありだと思いました。

 

わたしが気になったメッセージを以下に箇条書きにしておきます。

 

◎ 元々日本は、天皇家と民衆が「本家と分家」という関係でつながれた、一つの民族である。

 

◎「神」という言葉の指すものは「先祖」であり、祈りの対象は「宇宙そのもの」「山そのもの」そして「命そのもの」である。そして、それらに感謝し、尊み敬うのが本来の神道であり、本来の神道は「道徳」であり「宗教」ではない。日本古来の精神文化である。

 

憲法は日本を骨抜きにするものだから改憲、が必要。

自衛のための武力は、独立国であるために必ず必要であるが、他国への侵入はもっ

てのほか。(ただし自衛隊は、世界中の国が軍備撤廃条約に調印し完全実施するまでの期限付きで活動)

 

国連を解体し、新しい国際連合を作るべし。

それによって、地球上の国を平和に治めよ。

 

靖国神社は、日本のために命を捧げてくださった先祖の方々に感謝と敬意を示す場所であって、決して「軍国主義礼賛」「戦争を起こそうとする」といった侵略する意志を示す場所ではない。

 

第二次世界大戦には、欧米から植民地化されそうになったアジア各国を守る、自国を守る、といった正当防衛の側面がある。

 

◎「平等」がすべてよいわけでなく「悪平等」というのもある

 

◎「自由」や「権利」には必ず「義務」が伴うが、現代では自由と権利ばかりが主張され、またそういう人間が増えると、人心は乱れ、平和と幸福が内部から崩壊する。

 

◎大きな顔をして権利を主張できるのは、それに応える国あらばこそ。

その国を作ったのは、義務を果たしてきた先祖である→感謝すること!

 

20年以上前に書かれた本ですが、現代の様々な問題点を見通しているようで興味深いですね。