この本、すんげー面白かった。
こういう系の本で、久々に読み応えのある、中味の濃い本に出会えた気分。
著者が9人の霊能力をもつ人物に実際に会って話を聞いたことをまとめたインタビュー集。
加門さんという方の本を初めて拝見しましたが、とても勉強熱心で真摯な姿勢の作家さんだな、と感じました。
ふつうの人、いわゆる「見えない世界なんて信じませんよ?」という人が読んでも、耐え得るであろう内容にまで仕上げているところが素晴らしい。
まあ、そういう世界に興味のない人はまず読まないとは思うけど(笑)
霊的な世界を、「怪しい」「証拠がない」「精神病」とする考え方があることを完全に受け入れたうえで、この本のインタビューは始まる。
まえがきの部分で彼女(著者)を信用できるな、と思った点がいくつかあったので書き出しておく。
・ 紹介した方々すべてを、手放しで本物だとは言わずにおきたい。
彼らの話をどう取るかは、読者の方にお任せしたい。という発言。
・ 人選にあたって、「なんでもできる」という人は排除し、「できません」「わかりません」という言葉を持っているごまかしのない筋の通った人を選ぶようにした。というくだり
・ インタビューするにあたり、事前に350項目以上の質問を用意し、さらに実際に会う前に何ができるかできないかのチェックシートを用意し、可能と答えた部分について詳しく訊くことにした。という綿密な準備の様子。
・ 本書は霊能力の肯定を促すためのものではない、とあえて念を押すその中立を保とうとする姿勢。
それではまずお一人目の方。
わたしが「うぉー!!」と思ったのは、彼が「神様というのは、生きてる人間ひとりひとり、そのものなんですよ」と述べておられるところ。
神道の教えとおんなじこと言ってる!!やはり真実は一つ!!(コナン風)
あと、P33~34の、滝行の果てにつかんだ悟りの部分も感動した。
“ すべてのものが僕のことを大事に、こうやって置いてくれているのに、この意識の僕だけが、僕を嫌っていたんですね。それに気がついたときに、なんて自分は申し訳なかったんだろうと思いました。 ”
はっとしたのが、「自分を苛めてどうするんだ」という言葉。
心理学的にもふつうに勉強になるな、と思ったのは
やってることが「本音と隔たりがあればあるほど、結果は反対の方向に出る傾向がある。世の中で成功して幸せな人は、意外と自分中心でわがまま。わがままとは自分の本音に忠実なこと」というお話。
これ、ほんとそう。
自分に自信がなくて愛されたいから、男に尽くしても、そいつが全然ダメ男でいくら尽くしても満たされないって女の人が世の中には結構いると思うんだけど、まさにこの法則にあてはまると思う。
はい、次。
お二人目の方。
この方、テレビにも出たり本も何冊も出してて超有名な方です。
面白いのは、ご本人が「霊能力なんてべつにほしくなかったし、この道に入りたくなんてなかった」とおっしゃってるところ。
それと、霊能力を神様から授かる場面がすごく具体的で興味深かった。さらにはそんなすごい体験をしながら本人がいたって冷静で冷めてるところがおもしろい。
この方の言葉で印象的なのは、「カルマは気づくだけで解消できることもある。べつに神様、仏様を信じなくたっていい」というもの。
さらにいいな、と思ったメッセージが下記の文章。
・・・人は皆同じ。人間には甲乙はない。甲乙があるのは、心が汚れているから甲乙なんだよ。その心さえできれば、カルマを乗り越えて、できることもいっぱいある。だから気づきなさい・・・
怪しい霊能者あるあるの、≪先祖が悪いから供養しないとだめ・・・ハイ、500万!≫みたいな輩に対して、カルマを先祖のせいにする奴は許さん!!という熱い怒りもよかった。
3人目の方は、肩書がプロのエステティシャン。
「自分には見えないし、自分は霊能者ではない」と断言されているところがすがすがしくて魅力的な人。
わたしもマッサージを勉強している身なので、「おもしろいなー」と思ったのは「触ったときに手で感じる」というところ。
さらに、「老廃物を取り除くと、勘も良くなる」のだそう。
「体は魂の容れ物だから、その体を整えることで本質が見えるようになり、魂がきれいになる感じがする」という表現の仕方がとても興味深かった。
この方が素敵だな、と思うのは、
ちゃんと地に足をつけて、肉体を使って、現実世界で生活することが大切!
人との調和とかバランス。または体と気持ちのバランス。社会とのバランス。ルールを守って人に迷惑をかけないことが大事。とおっしゃっておられるところ。
当たり前に常識のある発言をこういう方がしてくれると本当にほっとする。
やっぱ神さまはちゃんと人を見てそういう能力を授けるんだろうな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく