どんな小さなものでもみつめていると宇宙につながっている―詩人まど・みちお100歳の言葉
- 作者: まどみちお
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/12
- メディア: 単行本
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すーごく素敵な本でした。
字数もページ数も少ないから楽ちんに読める。
なのに深い。
心がしんとする本。
タイトルにもあるとおり、繰り返し出てくるのが「宇宙」という言葉。
わたしたちを生かしているのは、人知の及ばないところにある「宇宙の意思」であり、
子供は「日本」のこども、である前に「地球の、さらに宇宙の」こども、だと
まどさんはおっしゃいます。
わたしがいう「かみさま」は、
「宇宙の意思」みたいなもの。
そう、まどさんは言っている。
わたしは、この言葉に真理があると思う。
「神様や宇宙について」同じような考え方を述べられてる方でぱっと思いつくのは、
科学と宗教の視点から本を何冊も出されている分子生物学者の「村上和雄さん」
面白いのは、葉室さんも元お医者さんをやられていた方なので、バリバリ理数系の人なのですが、お二人とも「宇宙に意思がある」と断言されている。
科学を突き詰めれば突き詰めるほど、そこに「地球や人間や、その他生き物全てを生かそうとする何者かの意思を感じざるを得ない」と、むかし何かの本でも読んだ気がします。
まどさんは、サムシンググレートとも呼ばれるその「なにか」を
常に感じながら日常生活を送られている様子が、とてもよく伝わってくる。
恐れ、敬い、感謝し、喜ぶ。
100歳になってもこんなふうに生きれるって、なんてすばらしいんでしょう!
でもやはり、なんの努力もせずに日々「発見」や「喜び」を感じながら生きてるわけじゃない。まどさんですら、「マンネリに負けないために」「常に新しいことを発見してやろうと意識する」と言っているのだ!!
この「意識して」ってとこがきっと大事なんだよね。
本の中で、なぜ、「人権」じゃなくて「生命権」っていわないんだろう??
というまどさんの考え方がとてもいいと思った。
そうしたら、「人間の権利を守るために」ほかの動植物をひどいめにあわせたりしないだろうにって。
あと、「幸せって何ですか?」という問いに対してのまどさんのお答えが胸にじんわりしみた。
けばけばしい色の、「〇〇できるようになる30の方法」みたいな自己啓発本じゃなく、
みんな、まどみちおさんの本読もうよ。
わたしは神様が、純粋でやさしい、みずみずしい感性を持った「まどみちお」という稀有な一人の人間を通して、わたしたち一人ひとりに「宇宙の真理」や「人としてのあり方」を伝えようとしてるんじゃないかなと思う。
明るく、驚きと喜びと感謝に満ちたまどさんの世界観を、ぜひぜひ多くの人に味わってほしい。